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大相撲の呼出(よびだし)とは

最終更新日:2019.08.16

呼出よびだしといえば、取組ごとに土俵に上がり、白扇を広げて東西の力士のしこ名を呼び上げる姿を思い浮かべると思います。

しかし、呼出は他にも相撲興行の表裏にわたってさまざまな仕事があります。

まず土俵を作るのは呼出の仕事です。

ほかにも、相撲興行の予告、1日の興行の開始・終了を告げるための太鼓を打つ、土俵上の進行の節目ごとに拍子木ひょうしぎを入れる、土俵をほうきや水で掃き清める、土俵周りの小道具を整える、相撲興行のための舞台装置のしつらえにそのお手入れ…

このように相撲の進行を脇で支える一通りの仕事が呼出の仕事になります。

さまざま仕事を素早くこなすため、呼出は動きやすい裁着袴たっつけばかまを身につけています。

呼出の仕事

呼出は、土俵上で東西の力士をしこ名を呼び上げるだけでなく、太鼓を打ったり、土俵を作ったりとさまざま仕事があります。

そのなかでも、「呼び上げ・太鼓・土俵築どひょうつき」は呼出の三大業務だといわれています。

余談ですが、昔は「呼び上げ・太鼓・土俵築」の仕事を分担して行っており、1965年(昭和40年)1月より全員で行うようになりました。そのため当時、入門20年目にして初めて呼び上げを行った呼出もいたそうです。

それでは話を戻して、「呼び上げ・太鼓・土俵築」を含めた呼出の仕事をもう少し詳しくご紹介します。

控え力士を土俵に呼び上げる(呼び上げ)
取組ごとに土俵に上がり、白扇(はくせん)を広げ、独特の節回しで東西の力士のしこ名を呼び上げます。

本場所や巡業で土俵を作る(土俵築)
巡業先や本場所ごとに呼出総出で土俵を作ります。

太鼓を打つ
相撲興行の予告をしたり、相撲興行の開始を知らせる「寄せ太鼓」や終了を告げる「はね太鼓」を太鼓櫓たいこやぐらの上で打ちます。

進行の節目ごとにを打つ
土俵上の進行の節目ごとに柝(拍子木)を入れます。

土俵を掃き清める
土俵をほうきや水で掃き清めます。

塩を用意したり補充する
塩を用意するなど、土俵周りの小道具を整えます。

懸賞旗けんしょうばたを掲示する
力士が塵浄水ちりちょうずを終えたところで、それぞれの懸賞旗を掲げて土俵を一周します。
*懸賞旗とは、幕内の取組に懸賞をかけたスポンサーの社名や商品名などが染め抜かれた旗のことです。

呼出の階級(地位)

呼出の階級は、立呼出たてよびだしを最上位にして最下位の序ノ口呼出まで9段階に分けられています。

基本的には勤続年数に加えて成績優秀であれば昇進しますが、特に成績優秀者であれば、勤続期間を満たさなくても特進する場合があり、また、見習い期間中であっても序ノ口呼出、序二段呼出の地位を与えられることもあります。

呼出の階級の昇降は年に1回あり、提出された考課表(人事評価表)により九月場所後の理事会にて選考し、翌年度の番付編成が行われます。

ちなみに、十枚目呼出以上の名前は番付に記載されていますが、これは1995年(平成6年)7月に復活したものです。


立呼出たてよびだし(定員1名)
勤続40年以上の者で成績優秀な者
または勤続30年以上40年未満の者で特に成績優秀な者

副立呼出(定員1名)
勤続40年以上の者で成績優秀な者
または勤続30年以上40年未満の者で特に成績優秀な者

三役呼出(定員3名)
勤続40年以上の者で成績優秀な者
または勤続30年以上40年未満の者で特に成績優秀な者

幕内呼出(定員7名以内)
勤続30年以上の者で成績優秀な者
または勤続15年以上30年未満の者で特に成績優秀な者

十枚目呼出(定員8名以内)
勤続15年以上の者で成績優秀な者
または勤続10年以上15年未満の者で特に成績優秀な者

幕下呼出
三段目呼出
序二段呼出
序ノ口呼出

呼出になるには

呼出になるには、義務教育を修了した満19歳までの男子で、呼出に適格だと認められる者だとされています。

現在呼出の定員は45名以内と定められており、定年は満65歳です。

応募の手続きとして、まず各相撲部屋に入門しなければいけません。

その後、履歴書、保護者の承諾書、住民票、戸籍謄(抄)本と、師匠名による「採用願」を協会に提出します。

そして相撲協会から呼出として採用されると、各相撲部屋に配属されます。

採用されると、最初の3年間を見習い(養成期間)として、力士の呼び上げ方、土俵作り方、太鼓の打ち方など、呼出としての実技を立呼出ならびに呼出会委員より指導を受けて学ばなければなりません。

相撲協会が採用するので所属は協会員となり、給料は本棒と手当からなる月給制で、協会より支払われることになります。

本俸は決まった基準により、各人の能力・成績ならびに勤務状況に応じて理事長が決定します。

また同じく手当も各人の能力・成績・勤務状況ならびに物価・社会状勢などに応じて理事長が決定し、現在は最低でも12万6000円が加えられるようです。

立呼出
本棒:36万円~40万円まで
手当込の月給:48万6000円~
およその年収:583万2000円~

副立呼出
本棒:36万円~40万円まで
手当込の月給:48万6000円~
およその年収:583万2000円~

三役呼出
本棒:36万円~40万円まで
手当込の月給:48万6000円~
およその年収:583万2000円~

幕内呼出
本棒:20万円~36万円未満
手当込の月給:32万6000円~
およその年収:391万2000円~

十枚目呼出
本棒:10万円~20万円未満
手当込の月給:22万6000円~
およその年収:271万2000円~

幕下呼出
本棒:4万2000円~10万円未満
手当込の月給:16万8000円~
およその年収:201万6000円~

三段目呼出
本棒:2万9000円~7万円未満
手当込の月給:15万5000円~
およその年収:186万円~

序二段呼出
本棒:2万円~2万9000円未満
手当込の月給:14万6000円~
およその年収:175万2000円~

序ノ口呼出以下
本棒:1万4000円~2万円未満
手当込の月給:14万円~
およその年収:168万円~

*財団法人日本相撲協会寄附行為施行細則第八十一条より

呼出という役割はいつごろからあったのか

呼出という役割がいつごろからあったのかは正確にはわかっていません。

しかし、江戸時代の書物には呼出だと思われる記述がいくつかみられ、少なくとも江戸時代には呼出と同じような仕事をする人がいたことが考えられます。

「古今相撲大全」1763年(宝暦13年)

「古今相撲大全」(木村政勝)では、取組前の呼び上げや万事すべてをつとめる「前行司」という職があり、勝負判定をする行司に対し、前行司は美しい服を着ていなかったので目立たなかったとの記述があります。

「相撲今昔物語」1785年(天明5年)

「相撲今昔物語」(子明山人)では、前行司を「ふれ」または「名乗上げ(なのりあげ)」と言ったという記述があります。

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